2013年7月14日日曜日

保護者

静岡学園のブログに下記のような記載がありました。
とても大切なことなのでそのまま転載させて頂きます。
記載元https://www.facebook.com/shizugakufc

匠のことば2009年・保護者
「後方支援の強力な理性集団“父母の会”への示唆」

・「子どもは無限の可能性を秘めている。みんなの宝なんだという視点で」
・「周囲は子どもを育てる義務がある」
・「競争社会のなかで、しっかりと平等な関係性を築けているか」
・「父母こそ成長が必要」
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これまでの指導者生活のなかで選手の父母との接し方は、徐々に変わってきた。
指導者になりたての最初の10年は、俺も若かったし、父母の方が年上になるから、控え目に付き合っていた。
それから10年くらい経つと、世代が同じくらいになるし、関係も対等になっていく。
そして、ここ最近の15年は、今度は俺のほうが年上になり、意識的に父母との距離を置くようになっていったね。

父母と付き合っていくのは、本当に難しいんだよ。
親というのは、自分の子どもの方ばかりに目がいくものだ。
それはある程度、仕方がないことなのかもしれないけど。

ただ、指導者はそのことを常に念頭に置いておかないと、後で痛い目に遭うこともある。
コミュニケーションをとることは大切なんだけど、しっかりと一線を引いておかないと、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があるんだ。

静岡学園の場合は、入部してすぐに選手たちの父母に、チームの方針や、その課程で起こり得る様々なことを説明していく。
トラブルの多くは、自分の子どもが試合に出られないという状況から生まれる。
ただ、最初にしっかりとコミュニケーションをとることで、余計なトラブルが避けられるものなんだ。

子どもは親だけのものではないということなんだ。
子どもは学校の、地方の、あるいは日本の宝になる可能性を秘めているんだよ。
そういう視点で、
「周囲は子どもを育てる義務がある。子どもは自分だけのものという感覚ではなくて、みんなの宝なんだ」
ということを話すんだ。

また、サッカーは競争社会だから、決して平等ではない。
そこは誤解しちゃいけないところなんだ。
格差がないことなんてないわけだけど。
だからこそ、健全な上下関係ができるし、それはすごく良いことだと思うんだ。

身近に尊敬できる人ができたり、挨拶や敬語の使い方を覚えられる環境はすごく大事。
そういうなかで育つことで、将来、世の中の役に立つ立派な人間になることが重要なんだよ。
サッカーだけ上手くなっても仕方がないんだ。

50人の部員がいれば、3年間トップチームの試合に出られない選手も出てくる。
でも、これは仕方がないこと。

いつもこの時期になると、卒業する3年生と父母が集まって、お別れ会があるんだ。
そこで子どもたち一人ひとりに3年間の思い出を述べさせるんだけど、そこで時々、次のようなことを言う選手がいるんだ。

「お父さん、お母さん、ありがとう。レギュラーにはなれなかったけど、お陰さまで3年間、一生懸命サッカーができました」

こういうのを見ていると指導者をしていて本当に良かったと思うね。
試合に出られないのは、仕方がないことなんだけど、
そういった「競争社会のなかで、しっかりと平等な関係性を築けているんだ」とも思うんだ。

素直に感謝の気持ちを述べられるのは、素晴らしい親子関係が築かれているからだ。
指導者としても清々しい気持ちになれるね。

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